幼馴染。
それは最も近いようで遠い距離。
最高で最悪な関系
私の幼馴染の名前は不二周助。(呼び名は周ちゃん)
幼い頃よく遊んだ仲の良い男の子。
お父さんの仕事の関係で引越してから7年という月日が経ち今は氷帝学園の3年生。
離れて随分時が経ったけど未だに忘れられなくて忘れたくなくて、
写真を見ては思い出にふけっている。
向こうにいたころは一緒にいるのが当たり前でなんとも感じなかったけど、離れてみると
周ちゃんが隣にいないのが寂しくて、何かが欠けたようで苦しくてやっと気づいた気持ち。
『好き』
ここから周ちゃんの家までの距離は凄く離れてる訳でもないから
会おうとすれば会いに行けたのだけど、忘れられてるかもしれない、
他の女の子と仲良くなってるかもしれない。
そんな思いばかりが頭を巡って、行く手を阻んで、
時が経てば経つほどそんな思考は止められなくなった。
「会いたいな・・・」
この台詞も何回目だろう。思えばあれが初恋だった。
今じゃ顔さえもうろ覚え、勿論声も覚えていない。
どんなに忘れまいと頑張ってもこうやって少しづつ忘れていくんだなぁ。
よく考えれば幼馴染特有の約束、とかしてないし何度も諦めようとしたけど
周りの男子とかじゃ全然ダメで恋心も沸かなければ興味さえもない。
・・・こんなんで大丈夫なのか自分・・・(汗)
「・・いい加減なんとかしなきゃ。」
とは言ったものの何からすればいいのか分からないので、気晴らしに出かけることにした。
+
はぁ・・。でも男子にときめいたことなんて微塵もないんだよね・・・。
惚れ薬でもあればなぁ・・・。そこまでして恋したくないけど。
ドンッ
何かにぶつかったと思ったら歳が同じぐらいの年の男の子だった。
「うわっ!!ごごごめんなさい!!」
「アーン?お前氷帝の生徒じゃねぇか。こんなとこで何してんだよ」
こんなとこ・・・?
周りを見渡すと見たこともない場所に来ていた。
あるのはコートにラケット、それとテニスボールが転がっている。
「・・・テニスコート・・?」
「クク・・知らねぇで来たのかよ・・。面白れえなお前。」
「来るつもりはなかったんだけどね・・。邪魔しないから練習見ててもいい?」
「あぁ、いいぜ。」
なぜか凄く懐かしくて、頭の中にふっと浮かんだのは誰かの面影。
そっか、周ちゃんもテニスやってたんだっけ・・・。
ってまた思い出してる(汗)
とりあえずせっかく来たので練習を見ていくことにした。
--------------------あとがき--------------------------------------------
おいおいおい不二君出てないよ!!
名前も!!ごめんなさい・・・。