幸せのカタチ





傷痕







「雅治!」

「なんじゃ?」

「えいっ!」


雅治の銀のしっぽを思いっきり引っ張った。


「ってー・・。、急に何するんじゃ」


痛かったみたい(当たり前)で少し涙目になりながらあたしに言う。


「なんとなく」


笑いたいのをこらえ、そっけなく言った。





悪戯は許して。貴方に構われるが為にここに来てるようなあたしに。




そんなあたしを見て、「困ったお姫さんじゃのう・・」と苦笑して後ろから抱きしめた。




少し抱きしめてみて。
もしかしたら思い切って伝えられるかもしれないから。


だから・・。




「雅治・・」

「ん?」




貴方に落書いた嘘の言葉が肌色によく光る




「嫌い」





言いたいことは正反対のことなのに、つい口から出てしまった言葉。



「プッ・・嘘つき」



そんなあたしに対して、全て分かりきってるとでも言う表情で拗ねた子供を宥めるかのように、
雅治の手が髪をくしゃくしゃと撫でる。


・・なんか悔しい。


「・・離して」




貴方の甘えたその手をはらって気づかれて。



驚いた顔であたしを見る雅治。


「・・本気?」

「さあね」




でもあたしちょっとだけ、引っ張って引っ張って目開けて背伸びで口元奪えた




「なっ・・!?」



不意を突かれたようで雅治にしては珍しく、少し赤く染まった顔。


プッ・・。可愛い。


とびきりの笑顔で抱きついて、耳元で囁いてやった。





「うん。幸せかも・・・」





たまにはこんなのもいいかもね?







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aikoの「傷痕」、好きなんです♪
歌聴きながら妄想するとヒロインの子が可愛くてしょうがない・・!