微かに聞こえる雨の音、冷えきった体を支える温かいぬくもり。
薄く開いた目から見えたのは・・




「お、兄ちゃん・・?」




やっとのことで言葉を発した後、ふっと体の力が抜けた。






grave<重々しく>















目を開けるとぼやけていた視界がだんだんはっきりと見えてきた。
最初に目に入ったのは遠い天井にシャンデリア。
体を起こして周りを見渡すとやけに広くて豪華な見たこともない場所。



「ここ・・どこ・・?」




どうしたらいいかわからず戸惑っていると部屋のドアが開いた。



「よぉ、目が覚めたか」



入ってきたのはやけに顔立ちの整った男の子。




「あの・・ここは?」



私の言葉に男の子がピクッと反応する。



「お前、覚えてねぇのか。ここは俺様の家だ。雨の中家の前に倒れてたんだぜ。」



思いだそうとしても自分が何をしてたのか どこから来たのか、全く思い出せない。
何も書かれていないノートのように、めくってもめくっても白い空間しか出てこない。


色のついてない 世界


「ご、めん・・。なにもわかんない。」



不安で胸が締め付けられる。



「んな顔すんな・・。別に怒ってる訳じゃねぇ。思い出すまでここに居りゃいいだろ」



「え・・いいの?」



だって今会ったばかりなのに・・。



「ククッ。こんな時に遠慮する馬鹿がいるかよ。部屋はあり余ってるし構わねぇぜ?」




それもそうだ。行くとこなんてないし・・ここは甘えとこう。


「じゃ、じゃあお願いします・・!」


「あぁ。この部屋は好きに使えよ。とりあえず今は休んどけ。」



男の子はそう言うと去って行った。





名前聞くの忘れちゃったな・・。後で聞こう。
なにが起こってるのかよくわかんないなぁ・・。

なんか凄く眠・・い。





その後、は再び眠りについた











「お兄ちゃん・・ねぇ。なんか裏がありそうな奴だな。樺地、調べとけ。」


「ウス」










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跡部with氷帝な感じになりそうです。